YOSHIのブログ

現在デュエルエクスマキナプレイ中。RPG/TCG系のブログ更新予定

【非公式】メシーカ アナザーストーリー 第2部

これは主の頭の中の妄想を膨らませた非公式のメシーカ。アナザーストーリーであるー。

目次

 

06.目的

ー。

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天を覆い、のし掛かるような空と隆起する大地。緑は生命の胎動で溢れ、水の囁きは何処か落ち着きがない。一行が到達した地、メシーカは来訪者の存在を確実に捉え、こちらの様子を観察しているように感じられた。

「ここは…。」

神々の誰しもが強烈に感じる、刺さるような命の鼓動と自然エネルギー

「不思議な地ですわね。ここでは、風も、土も、火も、水も。まるで全てが合わさってひとつの大きな命のようですわ。先程からジャンの毛が逆立って止まりません。」

ジャンはフレイヤの下でフシュゥ、と息を荒げ苦しそうにしている。フレイヤは愛猫のジャンを優しくなだめながら感じる違和感を続ける。

「そしてその全てが何処か霞ががっている。この地ではこれが普通なのかも知れませんが、充ち満ちるエネルギーの一方で荒い息遣い、痛いくらいに攻撃的な重圧。まるで窮鼠が猫を噛む時のような印象を受けます。」

見渡す限り、目視でこちらに敵意を向ける者はなく、無事に上陸を果たせたようだ。人の姿は見えない。フレイヤの言う通り、小鳥や妖精の様子が何処かよそよそしく、必死めいている。異界の未知なる生命体が強大なパワーを持って突如現れたのだから、これが自然な反応だと解釈もできるが、その場に立つ他の神々もフレイヤの言葉に共感し、どうやらこの違和感の原因は自分たちの他にある、と考えた。

「ハデス様、野営地の準備、整いました。」

船頭の報告にハデスは頷き、労った。一行の眼前には生茂る密林が広がっている。それを抜けた先には広大な丘陵や切立つ山岳、何者かが建設した神殿や遺跡の類があることを一行は船の中から確認しており、この世界にはあらゆる自然と文化が内包されていると予想できた。

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「旅の目的を明確にし、期限を決める。」

ハデスは言った。

「目的はマキナ殿をはじめとするイアソン船団の所在を確認すること、またはそれに準拠する手掛かりの発見。それに加えて帰る手段の用意だ。可能な限り多くの命を助けたいが、ミイラ取りがミイラになっては敵わん。何よりも優先すべきは着いてきた船乗と貴様らの命であると肝に命じよ。」

ハデスはトールを一瞥したあと、あてもない彼方を見詰めながら続ける。

「自明の通り、どうやらここは俺たちの世界と似て非なるものだ。この地に満ちるエネルギーを転化すれば或いは未開の新たな呪文や能力を我々であれば得られるであろう。しかしそれは常に危険と同居している。その力が俺たちを蝕み、また吞み込もうとするかも分からん。期限は一月だ。結果如何に関係なく、その間でここを発つ。」

ハデスの言葉にはひとつひとつ、決意の重みが混じっている。各自ここに居る理由は様々ある様子だが、彼もまた並ならぬ覚悟を持ってここに立って居ることが伝わってくる。

「お、おい、ッおっさん!勝手に決めんなよ、結果は出すだろ。全員見つけようぜ、期限なんて作らねえでよ。俺たちなら適わない敵はいねぇだろ。」

トールは曇った表情でハデスの言葉に割って入った。

「トール。」

フレイヤが嗜めるが、トールの性格はそれを一回で聞くような構造になっていない。

「いや、だってよ。折角こうも大所帯でこんな辺境に苦労して来てよ、何の成果も挙げずに帰れるかってんだよ!」

貴様、とハデスがトールの勢いを折った。

「小僧の分際で分別を弁えぬ奴だ。何を気にしているかは知らんが、それ以上やりたければ貴様一人でやれ。命が朽ちるまでな!貴様の事情に俺たちを巻き込むな。」

なんだとお、刹那にトールの心は炎で包まれ、頰がカッと紅くなり、ハデスに食ってかかろうとした。咄嗟にアヌビスが体を張って止める。

「おぉっと!兄貴、そりゃあ不味いや。一回、収めましょ。助けたい気持ちは皆んな一緒ですって。一月でみんな見つけりゃいいんですから。ね?」

数秒の沈黙。空気がひりついている。ハデスは降りかかった熱を払うようにひとつふんっ、とため息を吐くとそれ以上言葉を発さずその場を発ってしまった。

「私達、食事の支度を手伝ってきますね。」

ウズメが慮り、控えめな様子でフレイヤと立ち去った。陽が沈みかけ、直に夜である。

「この世界にも夜ってあるんですねぇ。」

アヌビスはうつむくトールへそう声をかけた。

 

 

 

07.約束

ー。

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メシーカの夜。夜は陽で火照った体と精神を万物平等に癒してくれる。宴を囲う船団の外では夜虫のさえずりの他には風もなく、岸に寄せる波も穏やかで静かな夜だった。陸での大地に足をつけた食事はオリンポスの港を出立してからかれこれ一週間ぶりになる。船乗達は先のことなど忘れたように酒をくらい、はしゃいでいる。

「さっきはすまなかった、ビスケ。」

トールは酒も程々に、ゆらゆらと揺れる焚かれた火を見詰めながら素直に詫びた。アヌビスはええ、とひとつだけ頷き、トールの様子をそれとなく伺っている。トールが続けて何かを喋りたければ聞くし、そうでないなら他愛のない会話を適当に繋げばいいだろう。アヌビスはそう思った。普段ムードメーカーというにはやや勢いが余り、空気を読まず壊してばかりいるが、肝要な場面はしっかりと抑えられる賢さと優しさがアヌビスにはある。

「俺ァ、約束しててよ。」

旅は道連れ、一蓮托生。既に旅を始めているアヌビスにとって、トールの遠征理由など今更どうでも良かったが、どうやらトールは胸の内を話すつもりらしい。

「ロキを連れ帰る、ってシギュンに約束してんだ。」

シギュンさん、ってあのー」

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《療法手 シギュン》

高性能なヒーラー

 

シギュンは、ロキの妻である。彼女は慎ましい品性に富み、悪戯好きで移り気が激しく、また狡猾で嘘つきと悪の色濃いロキには異様とも言える相手であったが、彼女は一点の曇りなくロキを愛していた。これは後の話になるが、ロキがオーディンの息子バルドルを殺害後、地下牢に幽閉され顔面に毒を盛られる際もシギュンは甲斐甲斐しくロキを支え続ける。

「じゃあ意地でも引っ張って連れ帰らねぇと。」

アヌビスは穏やかな声でそう返した。それ以上の言葉は無粋であるし、必要なかった。トールの感情が熱しやすい点については一長一短があるものの、基本的に裏表のない漢気に溢れる快活なトールが約束をする、という行為には“必ず果たす”という意味が付いて回るし、約束を違えることはトールの自尊心が許さない。

「他の奴がどう思ってるかは知らねえが、俺ァロキのこと嫌いじゃねえ。何より未亡人は可哀想だろ。」

トールは笑って言った。例え自分自身の問題であったとしても、人には話を聞いてもらうだけで心が楽になり、視界が晴れることがある。それは人も、神も同じである。トールはアヌビスに溜め込んだ心のもやを拭ってもらった思いがした。遠くの席からトール達に気付かれぬよう、それとなく話を聞いていたフレイヤは全くもって世話が焼けますこと、そう思いながらも口元は優しく微笑んでいた。

長い、長い宴は続く。ウズメが得意の舞踊で皆を心酔させ、トールが合いの手に木打ちドラムを添えると、まるでここが異界の地であることなど忘れ、人と神の垣根を超えて、心の底から皆が笑いあった。そうして夜が更けていった。

ー贄を…。贄を捧げよ…!

それから数刻したであろうか。突然頭の中へ電流のように走る奇妙な声に神々は目を覚ました。どうやら今の声は霊的感覚の備わった神のみにしか伝わっていない様子で、船乗達は昨夜の甘い余韻を噛み締めるように、気持ちよさそうに眠り続けている。辺りは朝靄というには優しすぎる、特異な濃霧が包んでいる。

「アテナ…!ッ」

ハデスが何かを察知し、海岸へ駆け寄る。

そこにはアテナと一人の見知らぬ男が剣を交えていた。

 

 

 

08.邂逅

ー。

濃霧に包まれたメシーカの夜明け。一行は異界の地到着から二日目にして、イアソン船団の足跡を掴む。オリンポス領域のアテナを見つけたのだ。アテナは岸から少し離れた海上に立ち、一人の屈強な戦士と剣を交えている。

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「畏れるな、進め。」

濃霧によってトールらの視界は奪われていたが、伝わる覇気がアテナの存在を確信させる。使役する海梟グラウクスが男の周りを飛び交い、アテナの邪魔にならない絶妙な間で男の死角から応戦しているようであった。一方アテナと相見える男はトールを想起させる巨軀と威風堂々、百戦錬磨の貫禄を放出しており、雌雄はその男に傾くとその場に居合わせるどの神にも解った。

「アテナ!」

ハデスは血相を変えアテナの下へ走り出す。そこにはこれまで皆にハデスが見せた冷静さや周到さは微塵もなく、余裕が一切ない。ハデスにとってアテナは急所と呼んで間違いなさそうであった。

「ハデス様、お待ちください!」

フレイヤの声が虚しく木霊する。トールが電光石火の身のこなしでハデスの後を追った。

彼女を旅へ出した私の計算が甘かった、ハデスはこの旅の中、何度も、何度もそう反芻しては自身を責めた。また一方でアテナを信じよ、と心に戒めもした。そうした心の中の矛盾が旅の中で膿み、塞き止めていた感情のうねりが今、一気に解放されたのだ。

「アテナ、今助けるぞ!雷霆の牙よ、穿て!ケウラノスの制裁!」

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《ケウラノスの制裁》

オリンポスの主砲スペル

 

ハデスが詠唱すると閃光の煌めきがカッ、と眩くほとばしり雷鳴が轟く。

ードッシャーン!!

空を割く巨大な雷が男に直撃した。男はぐおお、と息を洩らし、膝を着く。

「アテナ、大丈夫か!」

男にはそっぽもくれずアテナの下へ駆け寄り、彼女の両肩を掴みながらハデスは問いかけ、その顔を見て不意に驚愕する。

「贄…。贄を…捧げよ…!」

アテナの口から発せられた言葉は、先程頭の中で聞いた悪魔のささやきとも取れるそれであった。

「おっさん、危ねえ!」

後を追って来たトールが叫ぶ。が、アテナの繰り出す槍が速い。ハデスはアテナの攻撃を辛うじて左腕で受ける事で致命傷を避けた。鈍い痛みがハデスに突き刺さる。

「私としたことが…。」

ハデスは自分へ向かったアテナの殺気を確かに感じた。これははたしてどういうことだ、ハデスは混乱し、思考が定まらずに次の手を逡巡する。すると間髪なく重い剣圧がハデスを猛襲する。トールがそれを鎚ミョルニルで受け止め、がぎん、と金属音が響き渡った。敵意の主は今しがたハデスの雷撃を受けた男である。空気がひりひりしている。

「なんだなんだァ?お前達、その女の仲間か?…にしてはそのおっさん腹ァ突かれてたよなァ。よく分からねえ!」

男は愉快そうに話す。

「しかしデケェ方の、よく俺の攻撃を受け止めやがったな。今まで沢山のやつと戦ってきたが過去に俺の攻撃を躱す奴、受け流す奴は居ても、真っ向から受け止めた奴は居ねェ。やり合う前に聞いて置きてェ。お前さん名は? 」

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《羽蛇神 ケツァルコアトル

 

男はトールの言葉を待たず自分から名乗りを上げた。

「俺の名は、ケツァルコアトル。メシーカの地を守る、風の神だ!」

それは一行にとって、運命の出会いであった。

 

 

 

09.雌雄

ー。

トールの目の前には万年を生きる伝説の巨木のように巨軀の男が立ち塞がっている。その男は足元が海上であるにも関わらず、地に根を張ったようにズッシリとした重量感を持ち、この大地の全てから愛されているような満ち満ちたエネルギーを滾らせている。ケツァルコアトルと名乗ったその男はトールがこれまで相手にして来たどの巨人族よりも大きかった。

「おっさん、そっちは頼むぜ。俺は助太刀に行けそうにねえからよ。」

トールの言葉を聞き、承知した、と頷くとハデスはアテナを陽動し互いに被害の出ない距離を取る。一度交わした拳でトールは理解していた。この男は自分がこれまで対峙してきたどの男より屈強であると。周囲は靄が晴れ、パレットに乗せた絵の具のように鮮やかで優しい光彩が世界を構築している。光を纏ったケツァルコアトルは神々しく、より強大に見えた。

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「俺の名前はトール。雷神トールだ。」

ケツァルコアトルは満天の笑みで歯をむき出しながらそうか、と言う。トールも笑った。互いに未だ出会ったことのない脅威を相見え、心が高揚した。嬉しかった。この男であれば、全力を出せる、俺はまだまだ強くなって行ける。互いがそう認識した。

「お前達が何者ンかは知らねェ。だが、そんな事はどうだっていい、今を楽しもうじゃねェか。さァ来なァ、勝負しようぜ!」

ケツァルコアトルが地を力強く蹴ると一気に距離を詰め、トールの眼前で剣を振りかざす。速い、トールがそう思う隙すら与えない猛攻をケツァルコアトルは繰り出した。一撃一撃が戦車を引くように重く、かまいたちのように斬れ味がある。

ーグァギャン、グァギャン。

受け止める圧力が有り余り、逃げ場を無くしたエネルギーが衝撃波となって両者の足場を波立たせる。トールが反撃すると、ケツァルコアトルは風の力でそれを受け流す。

「…分からねェ。俺の拳は軽いか。お前さん、さっきから俺の一撃一撃を何故片手で受け止められるんだ。」

ケツァルコアトルはトールと対峙し、その異変に気付いた。腕っ節に絶対の自信を持っている自分が、赤子を捻るが如く、片腕であしらわれているのだ。これ程の屈辱をケツァルコアトルは未だかつて経験したことがない。無論ケツァルコアトルの感情は他所に、トールとて一回一回が決して予断を許さない緊迫した攻防である。一度気を許せば、一気に全身持っていかれる。トールはそう感じていたが、ケツァルコアトルの疑問も至極当然のものであった。

「俺ァ、腕力で誰にも負けないんだ。」
トールは笑いながらそう言った。トールには鎚ミョルニルと合わせ、トールをトールたらしめんとする重要な神器が三種あると言われている。その内の一種が力帯メギンギョルズである。メギンギョルズはトールの腹に付ける力帯で、トールの神力を二倍に引き上げる効果を持っている。

「そうかい。ま、戦で種明かしはしねェわな。それならこいつァどうだ、来いッ、鏡泉!」

ケツァルコアトルがそう叫ぶと、地脈が唸り、水面が青ざめそこに見たことのない魔法陣が現れる。刹那、ケツァルコアトルが二人になってトールを襲い出す。

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《鏡泉の波紋》

絶対有利の盤面を作り出すエンドスペル

 

「なっ、コリャア驚いた…!」

トールは必死に剣圧を殺す。何が起きたのか分からない。突如目の前の男が二人になり同じ膂力で襲ってくるのだ。

「ハッ、両腕使ってくれたなァ。ドンドン行くぜ!せいっ。」

ケツァルコアトルは息吹き宙を舞う。両者の力は均衡し、戦いの余波はこの大地へとてつもない影響を与えそうであった。

幾つ拳を交換したであろうか、互いに時間を忘れて汗と血に塗れた後、トールは剣圧から伝わるケツァルコアトルの精神や息遣いを直で受けるうちに、気付けば親愛にも敬愛にも似た感覚を抱いていた。

「出会った場所がここじゃなかったら俺たち最高の友になれた気がする。」

こんなにも気持ちが晴れる戦いは記憶に古く、トールは不器用ながらに相対す男へ最上の賛辞を送ると、ケツァルコアトルもトールの言葉に呼応し、俺も同じだ、と告げた。

「でも俺やらなきゃならねえことがあってよ、悠長にしてられねえんだ。悪いが、俺も全力だ…!」

トールがそう言うと、大地が震え上がり、トールの赤髪はゆらゆらと逆立ち、赤目がカッ、と異様な光を帯び始める。嵐のようなただならぬ気配にケツァルコアトルは気圧される、という感覚を生涯で初めて抱いた。

「ぐうぉおおおお…!」

トールのテンションが最高潮に達する刹那、突如彼方から氷の矢が戦場を突き刺す。

グングニルの穿通!」

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グングニルの穿通》

高コストAoEアスガルドの主要スペル

 

「ぐおあっ、タダではやられんぞ!」

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「一体、何だってんだよ!」

過熱した戦いに水を差されたトールは怒った。

「トール、そこまでです。どうやらそのお方とは、争う必要が無いようです。」

フレイヤはトールを諭すように言った。

「そして、そこの御仁。あなたにとって私たちもまた、敵意を向ける対象ではないようです。どうか一度剣を収め、私達の話を聞いてはくださいませんか。」

フレイヤの意図するところは分からないが、二人は交えた拳によって気心が通っていたため、その申し出に対し強い抵抗はなかった。むしろ心の何処かで安堵した。

「こんだけ足場固められちゃ続けようにも続けられねえ、ってんだよ。」

トールはそう言って、二人は笑った。

 

 

 

10.信頼

ー。

時はトールがケツァルコアトルに名を語り、拳を交え始める頃まで遡る。

トールと距離を取ったハデスの正面には、無垢の女神、アテナが立っている。アテナはケツァルコアトル戦によって四肢の自由の多くを失っていたが、息を荒げながらも戦意は失わず、ハデスを今の敵と認識し凄みを利かせ目を光らせている。

冷静を取り戻したハデスはアテナを見据え、この戦いの未来を頭の中で俯瞰していた。この短い時間の中でハデスに分かったことは、二点ある。一つは今対峙する自分へ刃を向けた、儚くも意志ある彼の処女は、紛れもなくアテナ本人であること。もう一つは、アテナを覆う特異なオーラの存在。それらが導き出すは、アテナが何者かによりマインドコントロールを受けているという答えであった。しかし、解呪の仕方が分からない。故郷では師であり、兄のような存在である自分が幾ら問い掛けようとも、得られる答えは自分へ向ける敵意なのである。

「アテナよ。済まないが少々付き合ってもらうぞ。千の雷よ、連なれ。ゼウスの降雷!」

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《ゼウスの降雷》

優秀な縦範囲AoE

 

「断ずるは紛う事なき一の罪。己へ問え、テミスの裁定!」

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《テミスの裁定》

高火力のユニットを一撃で落とす優れたスペル

 

ハデスは連続して魔法を繰り出し、アテナに猛攻を始めた。殺気は込めずとも、その一打一打が致命傷となっておかしくはない攻撃である。アテナは足元にある潤沢な水で周囲を覆い、身をガードするがハデスの一閃は軽くその壁を突き通す。

「逃げるな!日和ってばかりでは、道は拓けぬぞ!」

ぐわぁあ、とアテナが高く悲鳴を上げる。ハデスは故郷で自分が彼女へ手解きしていた日々を思い出していた。

「爆ぜろ!ッ」

高密度のマジックボールを休む間も無く連続で打ち込む。

アテナよ…、済まぬ。これは私の誤ちであった。お主は永遠に穢れなき乙女で有り続ければ良い。旅を終わりにしよう。ハデスは心の中でそう強く念じながら、攻撃を続ける。

「わ…私…は…!」

ふとアテナの意思を感じ、ハデスは耳を貸す。

「私は…!負けない!皆の命を、私が、守る…!」

それはアテナの深層意識が表に出たのか分からない。しかし、ハデスの心を強く打った。

「私は…!戦いを止める訳には、行かない!」

咄嗟に出た露わになるアテナの心。その想いにハデスは涙した。お主を突き動かすその源はどこにある、何故そうも強く有りたいのだ。ハデスが想いを巡らせていると、ドッ、という鈍い音がする。体の自由が効かない。アテナの渾身の一撃が、ハデスの腹を貫いていた。

「アテナよ…。いつのときも、お前は優しく在りなさい。」

今わの際を察したハデスはアテナに最期の言葉を送る。武運を、そう言い残し、精神が遥か遠くへ吸い寄せられそうになった刹那、アテナの記憶がハデスの頭の中へ走馬灯のように入ってきた。それは、メシーカの戦いの記憶であった。

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ーくっ、これ以上は戦局が持ちそうに有りません。皆さんは先へ進んでください。

ー目的は!そうではなかった筈です!

ー此処で全員が絶命するより、幾らかはまともでしょう。

ー安心してください。私の命を賭して、あなた方を必ず守り抜きます!

 

入り込んできたアテナの記憶は、アテナが高潔な精神を持ち合わせる、確固たるひとりの騎士であるという証明であった。絶体絶命の状況下、アテナが重んじたのは他の命と強く有りたいという純粋な志。自分がボロボロになり果てながらも尚、こんなにもアテナは仲間を、弱き者を、庇い護ろうとしていたのだ。

「お前は…もう十分に、ひとりの立派な騎士である。」

ハデスはアテナの成長とその精神を心から賞賛し、心が洗われた想いがした。

そこでハデスの精神は戻った。朦朧とした意識の中、ハデスはアテナに目をやると、彼女の身は光で包まれ、覆っていた禍々しいオーラがゆっくり溶けていく。これは…、そうか。お前が求めていたものは…。ハデスは理解した。アテナが秘めたたった一つの想い、それは家族や他の皆から“認めてもらうこと”であった。

「や、やべぇ、姉さん、旦那が大変だ」

遠くでアヌビスの声が聞こえる。駆け寄ったフレイヤは治癒の力でハデスとアテナを回復する。

「旦那、無茶しましたね。」

アヌビスの緊張走った顔がハデスにはやけに可笑しく写る。

「そうだな、少しは労わる気になったか」

ハデスは皮肉を言いながら、この旅で初めて笑った。

  

To be continued..

 

【非公式】メシーカ アナザーストーリー 第1部

これは主の頭の中の妄想を膨らませた非公式のメシーカ。アナザーストーリーであるー。

 

目次

 

01.要請

ー。

時はメシーカの大地にてテスカトリポカ戦によるマキナらの撤退、航海長イアソン一行の拉致から三月ほど経過していた。

 

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《戦略神 オーディン

「おかしいっ!ロキが彼の地へ出立してからかれこれ半年になろうとしておる。別次元へのゲートは以前開かれたまま、問題が解決された様子もない。ロキは一体何をしておるのだ!」

彼の名はオーディンアスガルド領域を統治する戦争と死を司る主神である。

 

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《豊穣神 フレイヤ

「うーん、ゲートへの入り口はオリンポス領海、海洋オケアニドの北方と伺っておりますから通常であればもう遠征から帰っていてもおかしくはありませんが…。はっ!ロキのことですからまたよからぬ策を講じてマキナ様の足を引っ張っているに違いありませんわ!」

彼女の名はフレイヤ。美、愛、豊穣、戦いを司る神である。フレイヤが合いの手にオーディンへ返事し、またよからぬ邪推をはじめている。

「そのロキを手懐けるに足る器量とマキナ殿を判断したからこそ、儂はあの灰汁が強いロキの遠征を認めておる。フレイヤの申す通り、彼の方の実力であればもう帰途へついていても良いはずじゃ。それがどうしたことか、使い魔フギンの定期連絡すら断たれて久しい。考えたくはないが何かあったと…!ぐぬぅう…!!」

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《伝書鴉 フギン》

貴重なドローソース。

 

硬直したオーディンの顔は今にも兜の角を真っ二つにし飛び出して行きそうな気配を醸している。その気を察知し、フレイヤはまたか、と思った。覇者の常とも言うべきかオーディンもまた、一度思考が一方へ傾くとその思考へのめり込み手がつけられない荒々しさを持っている。

 

「いいぜ。」

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雷電神 トール》

 「オーディンのとっつぁん、そう鼻息荒くすんな。俺がちょっくら様子を見てきてやるよ。丁度トロール大討伐の勅命もテュールのおっさんがひとりでバッタバッタ倒しまくっちまったからそろそろ収束しそうでよ。力が有り余ってるんだ。」

彼の名はトール。雷神の名を持つアスガルド領で兵達のリーダー的存在。快活で豪胆、また優しい彼に兵の多くは心酔し、“兄貴”と慕っている。トールの目には事態に対し滾る自信と好奇で溢れていた。

「まあ。楽しそう。」

フレイヤはにこにこした表情を繕いながらも内心は既に人ごとになっている。

「ふぅむ、…お前には平時、兵達の統率を任せておるが事態が事態じゃ。国の防護はヘイムダルらに任せるとして…どれ。行ってくれるか。」

オーディンはもう鼻から先にトールへ遠征の依頼を出すことを心に決めていた様子で、トールの申し出を歓迎した。

「そう来なくっちゃよお!へへへ。オーディンのとっつぁん、ありがとよ。ちょっくら行ってくるわ!」

トールの行動は早い。疾風迅雷。考えるよりも行動が先に出る彼の性格は幾多の戦地で功績を挙げる助力となったが、単身乗り込もうとするトールをオーディンは止めた。

「これ、これ。待て。ーフレイヤ、お前も一緒に付いていきなさい。」

「なっ!」

それにはトールも意外な様子で二の句を返せない。

「な、な、な、私?」

もうこの話はトールが行っておしまい。愛猫のジャンと今日はどのお花畑で遊びましょう。そう考えていた矢先のことだった。

「左様。各世界の代表を揃えたあのマキナ殿の団体が消息を断つというのは異常の極み。如何にミョルニルの加護を受けるトールを以ってしても、今回ひとりでは荷が重かろう。お前がトールを助けてあげなさい。ニョルズには私から伝えておく。そしてトールよ、今回の遠征は現地視察のみじゃ。目的は異界の地で何が起きているのか、マキナ殿らが消息を絶った手掛かりを掴むまでとする。深入りしひとりで事態を解決するなどとはゆめゆめ思わぬよう、心せい。」

オーディンの意志は揺らがない。一度決めた事を曲げる性格ではない事をこの領域に住まう者なら誰もが知っている。これにはフレイヤも内心泣きながら恐ろしい程に晴れやかな笑顔で要請を受けた。

「かしこまりましたわ。」

(こりゃあ、おかしな雲行きになっちまったぜ。ひとりで気のまま異界の怪をギッタギタに打ちのめして冒険するつもりがよぉ、フレイヤの姉貴とじゃ、やりづらいぜ。)

オーディンの意外な要請に対しトールもまた心に一抹のざらつきを残した。

 

 

 

02.出立

ー。

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「ようし、じゃあ、行くとすっか。」

アスガルド領域を出、トールはオーディンに一人突っ走らぬよう釘を刺されたことも今となっては忘れた様子で、無邪気にそう言った。

「あなたと一緒に異界への調査だなんて、主神もどうかなさっているわ。どうせこのような汗くさいお仕事ならばフレイのお兄様にお願いされたら良かったのに。今日はジャンちゃんと森林へ幻の霊鹿エイクスュルニルを探しに出かけようとしてましたのに!どうしてこうなってしまったのでしょう。ああ…。ああ。」

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《霊鹿 エイクスュルニル》

有利交換を助ける優れた高密度のバッファー。

 

フレイヤはトールの言葉に耳もくれず一人でブツブツ呟いている。

「エイクは子供の前にしか姿を現さねえよぉ。まあまあ、フレイヤの姉貴、乗りかかった船だ、どうせなら楽しくいこうぜ!はっはっは。」

あどけない顔で無邪気に笑うトールを見てフレイヤは心にふつふつと込み上げる黒い感情を持っていると、その時後ろから声をかける者がいた。

 

「お待ちください。」

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 《舞踊神 アメノウズメ》

「トール様。フレイヤ様。お久しぶりでございます。イズモ領のウズメにございます。」

そこにはイズモ領域のアメノウズメが立っていた。後ろを見渡すとオリンポス領域のハデス、ルクソール領域のアヌビス、トリニティ領域のラファエルらの連々も揃い踏みで集結している。

「こ、こりゃあ、どういうことだ…?」

普段は万事、細いことなど知ったことか、という豪放な性格のトールもこの事態は流石に戸惑った。各領土の要人ならぬ要神が一同集結しているともなると、マキナ達がかつて行ったものと等しく、それはごくごく自然な反応であった。

「旧知の友と呼べる御方達に対し、背後から声がけするなどという武士の恥をどうかお赦しください。ここへ皆々様がお集まりになられた目的は、全員一緒にございます。どうか、ウズメ達もご一緒させていただきたく。」

トールはウズメらとかねてより存在する辺境の闘技場にて旧知の関係である。辺境の闘技場で行われる祭事は各領域間の希薄な関係性の歴史上で唯一古より遵守され続けて来た。各領、己が領土の力を誇示するように自領の主要な神を祭事に出すことから、各領内で代表格の神の間では少し特殊な顔見知の関係が構築されていた。

ウズメは礼節を重んじ、清く正しく高尚な精神を持っているイズモ領域の神。そんなウズメをトールは高く評価している。どうやら他の領域の面々は件の事態に対し意思の疎通が既に取れているようで、一番疎いのはトール達のようであった。フレイヤはそれに気付くと同時に嵌められた、と思いまた独り言をはじめる。

 

「んまぁーまあまあ!どうせここにいるヤツらみんな顔見知りだしよ、細い挨拶なんて抜きにして早く出発しようぜ?んなっ!」

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《葬送神 アヌビス》

アヌビスがウズメの良識ある挨拶を弛緩したトーンで台無しにする。 軽々としたアヌビスの言動は空気を読む心持ちすら感じられないが、他の心の機微に聡く、トールは話の早いやつ、と嫌いではない。

「ビスケじゃないか。」

「まったその名前で呼んでえ。ビスケのケの字はどっから来たんです、トールの兄貴。まぁいいかあ、どーも。」

トールは自分が気に入った、という自覚を持ったあらゆる万物に対し、よく分からないあだ名を付ける癖がある。アヌビスはトールから呼ばれるそのあだ名をあまり気に入って居ないらしいが、言及してもあまり明朗な答えが返ってこないことを察知し深く追求はしない。

「あと…後ろの二人は…。」

 

「どうして私がこのような下賤共と…。メタトロン様…。」

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《聖癒の大天使 ラファエル》

 

「ふんっ。」

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《地底神 ハデス》

残り二人は挨拶もせず、思い思いに思考を巡らせている様子だった。トリニティ領域が要神を派遣するのは取分け異例で、

 「無愛想だなあ。でもマジか?こりゃあいよいよ、おかしな雲行きになっちまったぜ…。」

トールは内心で軽率に異界行きを申し出た自分の言動を少し後悔した。

「トールの兄貴、めんどくせぇ、って顔に出てるぜ〜?フレイヤの姉さんもよろしくな!さあ、行った、行った!」

フレイヤのくぐもった表情を見ながら、アメンが今回の要請をオシリスではなく俺に依頼したのはフレイヤの姉さんが居るからだな、とアメンの見えない意図を感じ取るアヌビスだった。

「…惚れっぽいからなあ。」

 

 

 

03.強襲

ー。

「海が、荒れているな。」

アスガルドを出立し、オリンポス領海、件の異界ゲート近域に差し掛かるなり、ハデスは開口一番そう切り出した。

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「え?なんだって?俺には夕凪にたなびく穏やかな海に見えるが。」

トールを始めとする他の神にはとてもハデスの言葉が信じられない。氷と土が自身の構築する世界の大半を占めるトールにとって、海が内包する水も、起こす波も、潮を香りを纏うその風も全てが新鮮に写る。

「おのれ…!」

ハデスはそう呟くと、また無口になる。

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アテナイの操舵手》

兵士サーチ。 兵士は有能が多いため活躍の機会は多いだろう。

 

「は、ハデス様、脅かしは無しですぜ…。こちとら急遽船を出せって言われて人数はギリギリ、艤装や兵装もそこまで整ってねえんだ。その上海難に見舞われちまうとなりゃあ、干上がっちまう。」

アテナイの操舵手は怯えながらそう言った。舵取る先、大男の二の腕は恐怖で震えている。それもそのはず、海を象徴とするオリンポス、その神々の言葉は巫女や海を知り尽くした同業の者の助言など比較にならない程に絶対的な効力があるのだ。その神が、“荒れている”と言う事は、すなわちこの先絶対の苦難を暗示していた。

「まあ、なんとでもなるだろ!そりゃあ出発前はめんどくせえことになっちまった、って思いもしたけどよ、各領の主要神が揃ってんだ、オオダコやオオイカの一匹や二匹が出てくれようもんなら旅の門出に華を添える、ってもんだぜ!」

トールは最初こそ面食らい戸惑いを見せたものの、出立から一週間もした今となってはカラッとした表情を見せ、戦いはまだか、まだかと胸を高鳴らせていた。

「舵手の方達がこれほどまでに怯えているのにトールったら無神経ですわ。だから私はあなたとの旅は嫌だったのに。舵手の皆さま、心配はいりません。皆に、愛の施しを。」

フレイヤの言葉は煌めく聖水が如く、舵手の心へ浸透し安堵させた。それはいいとして、言ってもどう仕様もないことを言うことを忘れないのは女の常か。

「女神様…!ありがてぇ、ありがてえ。」

舵手がそう感謝の言葉を言い終えるが先か事態が先か、突如船の後部甲板からぐあん、という怪音と同時に水夫の悲鳴が聞こえる。

「ひ、ひぃ…ひいい!け、ケートス…ケートスが出たぞぉ!」

「グヮギャオォオン」

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《大海獣 ケートス》

海洋に乗ったケートスは非常に脅威

 

海獣ケートス。気性の荒い海のどう猛な捕食者。ケートスの腹の中には街が丸々ひとつ入っているという逸話を持ついわくのモンスターだ。そのケートスが船に百は人を乗せるだろう大帆船の後板に突如躍り出た。気づけば周囲の地平は渦巻き、天より豪風と叩きつけるような強い雨。一変して大嵐へと表情を変えている。

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「突然すぎんだろぉ!いきますか、兄貴ッ!」

アヌビスは瞬時に状況を理解し、トールを誘った。

「冗談が本当になっちまった。言霊ってやつかよ、すまねえな、舵手さんよ。しかしこいつぁ正真正銘の大船だ、安心してくれ。」

トールは舵手へ悪びれながらそう言い残し、内心では長い船旅の退屈を打破するこの状況をこれよしと歓迎しながら甲板へ向かった。

「爆ぜろ…ッ!」

 ハデスのマジックボールがケートスの首に直撃する。どうやらハデスは怪異の気配をいち早く察知し、先回りをしていたようだ。

ーギャウゥン。

ケートスは苦しそうに咆哮し無作為に物資や甲板へ頭を打ち付ける。船は過度な重圧に悲鳴をあげてぐらぐらと揺れた。

「こうなること知ってたんなら教えてくれても良かったんだぜぇ!ハデスの旦那ッ!手元が狂ってそのソウル魔法が自分の顔面に当たらないよう気をつけなッ!そらっ、ピラミッドの瘴気!」

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《ピラミッドの瘴気》

対象を弱体化させるルクソールの主要スペル

 

駆けつけたアヌビスはケートスへ弱体魔法を放ちながらハデスに皮肉をたしなめる。

「…ふんっ。」

「相変わらず、無口だなあ旦那は。」

両者の関係が改善するには共に過ごす時間と経験がいささか足りないようであった。

ーギャゴォオン。

緑の毒々しい瘴気に包まれたケートスは苦しそうな悲鳴をあげながら黒い水中へ溶けて行く。

「もうやっちまったのかよ。カーッ、流石に手が早いな、ビスケ。」

少し遅れて駆けつけたトールは戦況を見るなり事態の収束を判断し、アヌビスへ声をかける。

「兄貴、その言い草どうなんです?…いや。まあ、そのおいらは鼻が効くもんで…どうやらまだ終わってなー。」

ーゴゥっ。

刹那、轟音がアヌビスの言葉をかき消す。

「…ん、なんだって?」

言葉を途中で辞めたアヌビスにトールは次の句を促す。

「 おいおい、アヌビス。」

ーゴゴォーゥっ。

「聞こえねえかい?兄貴。」

「何がだ。」

ーゴゴォーゥ。

ードゥッ、…ドッ、ドッ、ドッ。

ードゴ、ゴゴゴゴゴゴ。

「はは。こいつぁ、ちょっとヤバイかも知れませんぜ、兄貴。」

体中に備わるあらゆる危険察知能力が警鐘を鳴らし、トールの体を全身ピリピリとあわ立たせる。

「ああ、俺にも分かったよ。」

 

 

 

04.突入

ー。

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《スキュラの戦魚》

相手のフェイスへ直接ダメージの飛ぶ希少種。

 

「総員、帆を広げ全速前進!急げ。」

ハデスが叫んだ。

 ーシィギュァアアア!アアア!

後方から現れたのは、全長三メートルをゆうに超し肉は愚か鉄さえも噛み砕き食らうスキュラの戦魚の大群であった。地鳴りのように聴こえた奇怪な音の正体は戦魚が高速でこの船めがけ大移動する音だったのだ。よくある船乗たちの海難談で数匹の戦魚に襲われ、小・中帆船が沈められると言った話はポピュラーで、スキュラの戦魚を単体、或いは同時に数匹遭遇することは然程珍しくない。

「おいおい、この数…。五十、いや、百を超えてるぞ!」

未曾有の天災と言える。トールとアヌビスの眼前を戦魚の大群が真っ黒に塗り潰し、一斉に船めがけ襲い掛かる。嵐はより一層荒々しさを増し訓練された水夫ら船員でさえ最早まともに立つことが怪しくなっている。

「小僧ども、呆けてないで手を貸せ。逃げるぞ。俺は操舵席へ向かう。あとは分かるな。」

ハデスには今の事態に対する最善の策が見えていた。

「さっすが年の功、ってやつですかねぇ〜!ッ逃げるが勝ち!兄貴、自分は砲台室へ行きます。ここは任せましたぜ。」

アヌビスは突き刺すような強い雨粒と強風に煽られながらも身軽に砲台室へ向かった。

「ははっ、全身泡立って仕方ねえ。怪我したやつは中に入ってな、おラァ、行くぞ!」

トールは叫び、自らボルテージを上げ戦魚の群れに飛び出した。

「オラオラオラオラぁ!」

鋼鉄を纏っていると錯覚するほどに鍛え抜かれた分厚く強靱なトールの肉体はどんな体勢であっても重心を失わず、身の丈ほど大きくした鎚ミョルニルをあらゆる角度から力一杯かなぐり回し、竜巻が呑み込むそれの如く、片っ端から次々と戦魚達を倒していく。鎚ミョルニルはどれほど強く打ち付けようと決して壊れず、大きさを自在に変えることや、的へ向け投げれば必ず命中し、再び手に戻るという性質を持っているトールの頼もしい相棒だ。

ーキシャァアアアッ。

戦魚達はトールの力量を推し測り、目標を帆船へ切り替える。

「おいおい、親玉はいねえのか、こいつぁキリがねぇ。」

トールは雨風で視界の悪い中それらしき目標を探る。

 

「ーバルドルの閃光!」

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バルドルの閃光》

軽コストAoEアスガルドの主要スペル

 

 ーキーン。

後方からフレイヤの支援が届いた。

「ぐおあっ、タダではやられんぞ!」

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ーシィャアアア。

戦魚の群れに浴びせたその呪文は宙へ弧を描き一瞬の閃光の後空気を、また水を伝い、辺りを焦がした。

ーギィ、ギィイ。

自分たちの知らない攻撃を受けた戦魚達はひるみ、こちらの動向を伺っている。その機をハデスは見逃さなかった。

「砲台、打て。全力で振り抜ける。」

船は荒れ狂う波を越え、ゲートに向かいひた走る。

「ゲートが見えたぞ。」

ぐあんぐあんと高波弾け合う視線のその先、海上にあんぐりと口を開けるように漆黒の闇が眼前いっぱいに広がっている。

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ーキシューッ、シューッ。

戦魚の群れは逃げる餌を逃すまいとキシキシ歯を立てて迫ってくる。

「くぅ、これ以上は、船が逝っちまう」

舵手が悲鳴をあげた。構わない、進め。ハデスは襲い来る戦魚を捌きながらそう命令する。

 「ゲートに入りますぜッ!」

眼前に広がる巨大な黒は立ち塞がる巨大な岩にも、大陸にも見え、船首がゲートへ触れる刹那ぶつかる、と船員の誰しもが思った。

「イッけぇええーーッ!」

ーとゥン…ッ。

ーキィシャアアア。

八方を覆い尽くしていた戦魚達の歯軋り音が背中から、また遠い後方から、次第に小さくなっていく。

ーシューッ、キシューッ。
ーシュー…、シュー……。……。

 

……。

周囲は暗闇と無音に包まれた。今起こっていた強風も、雨も、波のうねりも感じられない。

「無事にゲートへ侵入できたようだな。」

ハデスは眉ひとつ動かさずそう言った。

 

 

 

05.到着

ー。

ゲート侵入から二時間。

周囲を包んだ暗闇は次第に晴れ、薄く蒼い宇宙のような空間の中を一行は進んでいた。

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天を仰げばそこには無数の、どの文明のものか判別のつかない、どこの勢力にも属することのない魔法陣が蝋燭のようにぼぅ、っと浮かび上がり、それは夜空を彩る星のように温かい。

 

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「皆様ご無事で何よりです。死者は出ていないようで、とりあえずは何より、と言ったところでしょうか。」

治療班の陣頭指揮とまた自らも怪我人の介護を行なっていたウズメは安堵した表情でそう言った。甲斐甲斐しく世話をした様子がウズメの額に浮かぶ汗から読んで取れる。

「いやぁ〜いきなりヤバかったっすね〜!おいら久しぶりに生きてるーっ、て感じしましたよ。」

アヌビスはあっけらかんとしている。船員達は一時のパニックから精神が戻り落ち着く者、前途に悲観する者、奮い立つ者とそれぞれに別れた。船の被害状況は深刻で、竜骨を損傷していることが判っている。竜骨とは船を支える基盤の働きを担い、船の生命線といえる重要な箇所である。現在はゲート内に満ちる謎の浮力による誘導で船の舵を取らずとも勝手にゲートの意思のまま船は進むが、帰途は別手段を用意する必要が生まれた。

「トール。」

フレイヤが真剣な眼差しでトールを見つめる。

「あなたも先の戦いで承知していると思いますが、どうやらこの旅は悠々と遠足気分でいられる程優しいものでは到底無いようです。主神が申されたこと、分かっていますね。深入りは禁物です。」

「わぁーかってる、俺は戦神だ。押し引きは心得てる。」

フレイヤはそれならいいのですが、とは言わず無言で立ち去った。それを見てトールは参ったなぁ、と思った。

それから数刻して、船の進行先にまばゆい光が集まり始め、時の経過と共にその光は次第に大きく、船を包み込んでいった。

 

「見、見ろよ…!」

何処からともなく希望とも憂いとも取れる細い声で誰かがそう言う。

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一行の眼前に降臨するは彼の地、メシーカ。

魔力と幽玄の大地。到着であった。

「着いたな。」

トールは自信に満ちた面持ちで、その目は一線にメシーカの地を捉えている。

「たっ、大変ですっ!」

船員達が騒ぐ。一体どうしたのだ、ハデスは不機嫌そうに尋ねると、突拍子も無い答えが返ってきた。

「ら、ラファエル様が…いま…せん。」

この不測事態へ瞬時に二の句を継げる者は居なかった。

 

To be continued..

デュエルエクスマキナ 今環境を振り返る

来たる2017/7/6(木)デュエルエクスマキナ(以下DXM)に新旋風、初の大型拡張パック【メシーカ】が参入する。

2017/3/30にサービスインしたDXMは現在までに小型拡張【烈火の群狼】を経て、総カード数324枚。(らしい。)

今ある環境は今だけのもので一度新しい環境を迎えればこれまで露出の多かったカードも全く見なくなるかも知れないし、これまで埋もれていた意外なカードの活躍が見られるようになるかも知れない。

 

新環境の到来を目前に控えたいま、今回は現在の環境における各勢力の特徴や代表的なカードを振り返り、整理したいと思う。

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メニュー

 

ニュートラ

今環境におけるニュートラルカードは初期プールということがあってか、汎用性が高くて強力な(鉄板と言い切れる)カードが多く、ネガティヴに捉えるならば、それがデッキ個性を失くす最大要因だったと考える。個人的にカードゲームにおいて鉄板カードというのは無い方が良いし、思考を挟む余地すらない程のパワーカードが何枚もある今環境は好ましく思っていない。
ただしニュートラル・三種の神器(デーモンスネイル、ゴーレム、サナム)はどれもこのゲーム特有の概念であるマスやレーン配置を強く意識させるカードであったため、これは敢えて派手で分かりやすい能力を彼らに持たせたことで提供元DeNAがユーザーへ仕様の普及と学習を意図して促したように考えられる。

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説明不要なおなじみのパワーカード3種

 

その後に登場した【烈火の群狼】の「召喚時ダメージを与え合う」はそこから半歩先、相手のリターン行動の予測を促しているし、これまでの3ヶ月はDXMの独特なルールや概念を学ぶ一種の裏チュートリアルだったと解釈できなくもない。収益が実を結んでいるかは知らないが、実際に身を削ってユーザーへ段階的な学習を促しているならば、それは好意的に捉えていいと思う。

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初期配布のレジェンダリー《水晶術師 ジアー》。ウルモルの集落やターニア、アテナのガーディアンパワーなど相性の良いカードは多く、前後列を学ぶ良い教材だった。

 

今環境は厳密に言うと最初期と小型拡張【烈火の群狼】追加後の2つに分けられる。

最初期に環境を席巻したのがオリンポスーミッドレンジとルクソールーコントロールだ。(烈火の群狼追加後はルクソールの席へアスガルドが座る)

オリンポスにとって《エルフの地術師》は作成した海洋地形が一部速攻持ちのトリガーとして機能し、最初期から烈火〜追加後まで大いに活躍した。《ソベクの怒り》を搭載したルクソールアスガルド然り、今環境におけるひとつのキーは、「地形の恩恵を甘受できたか」が大きなアドエッセンスだと考えており、2/2/2の高水準な地術師を利用した上で後の地形も活かせるカードの存在した勢力が強かったように思う。

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抜群の安定感に寄与した影の功労者《エルフの地術師》

 

最初期における環境のもう一翼ルクソールにとって《ウルモルの棟梁》はピックしておきたい。棟梁の生成した「ウルモルの集落」から繰り出される無限に蘇るゾンビウルモルは、豊富な各種AoEの盤面リセットと相性良く、高コスト帯に優秀なカードの多いルクソールの、〝ユニット数をあまり展開できない弱点〟をケアし、総じて親和性が高い。攻守両用継続的に盤面へ影響を及ぼすその効果は見て取る地味さより遥かに大きかった。

同じく攻守両用、《人造獣 カオスキメラ》も好まれた。烈火の群狼追加後はアスガルドの台頭があり、全体的にスピード感が緩和されドッシリ腰を据えたバトルが増えたために、現在では多くの勢力で使用される。

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使われて判るウザさ《ウルモルの棟梁》

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ハンドの枯れた終盤に叩きつける脅威《人造獣 カオスキメラ》

 

最後にメタカードをおさらいしてニュートラルを締めたい。環境に対するメタとしてニュートラルから多くのカードが採用された。

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《彷徨えるゴーレム》との数少ない等価交換を目的に採用され、腐る場面の少ない除去カード。《森獣の要撃》

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特定の危険カードを意識し採用される確定除去。烈火の群狼後採用率が増えた。《焔蛇の激昂》

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特に対ルクソール戦において、弱体化されたユニットをそのままフィニッシャーへ転化させる正に切り札的存在となった。《外科医 ベリザリオ》

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刺されば5/5展開+除去で盤面をひっくり返すパワーを持つ。スキルが使用できずとも5/5のため腐らない点が非常に有用。能力的に今後も価値を高め続けるであろう《ホムンクルスのサルファー》

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烈火の群狼追加後に台頭したアスガルドを意識して採用されることが多い。AoEが優秀なアスガルドにとって確定除去に割けるデッキ枠はあまり無く、なかなかに刺さるのだ。《死王 リッチロード》

 

◆オリンポス

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勢力に入っていく。今環境におけるオリンポスの人気と実力は初めからで、DXM最初期において環境の一翼ルクソールへ一方的にアドが取れたことから当時最大勢力となった。また、デッキ作成コストが比較的安価であったことや、MTGプロプレイヤー滝村和幸氏が開発したミッドレンジオリンポスがランクマッチ1位を取り周知したことも大きい。

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個人の使用デッキ。滝村氏のデッキがベースになっている。

 

今環境のオリンポス勢力、最大の特徴に豊富な速攻持ちが上げられる。オリンポスの速攻持ちはそのほとんどが大変有用で甲乙つけ難く、複数枚採用し多重起動することでオリンポスのひとつアイデンティティを確立し、その存在を誇示したように思う。速攻はスキル自体が召喚酔いの概念を無視する大変強いもので、レーン概念と相まって先へ、先へと相手をリードした状態でゲームメイクできる。 

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よく働きました。《オリンポス 各種速攻持ち》

 

相手プレイヤーへ直接ダメージを与える点も優れていた。その中でも特筆したいカードは《ケラウノスの制裁》。オリンポスは小・中型ユニットによる高速展開が得意な反面、対向に護衛持ちや大型ユニットを展開されるとそこに多くのリソースを割くことになり、一度防戦に回ると滅法弱い。このカードは届かない一打、本来止まる流れをこじ開けて相手のフェイスへ継続アプローチを可能とさせたことで、大変価値ある一枚となった。

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この一枚に救われたシーンは多い。《ケラウノスの制裁》

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ユニット展開+フェイス2点という離れ業で無類の存在価値があったと言える。《テーバイの重装投槍兵》

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フェイスへ打てて本当に良かった。《ハルパーの追撃》

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ハマった時の異常なDPS《サテュロスの短弓兵》

 

その他、脇を固めた優秀なカードたちは以下。

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立ち上がり局面で盤面に与えるプレッシャーは非常に大きい。《テーバイの重装歩兵》

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本人が持つポテンシャルの高さから相手のヘイトが集中する《海侵神 アンピトリテ》

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ハデスのガーディアンパワーでパンプしたり、2/2の対向に展開すれば相手の動きを止めることができる。正に変幻自在。《多頭竜 ヒュドラ

 

今環境において個人がこの勢力に持つイメージは良い。レーンや前後マスの独特な概念を理解した上で、オリンポスの戦略は多くの場合でシーソーゲームよろしく、点の取り合い。時間軸を見ながらフェイスに加点することを念頭に置き、互いのDPSを把握、相手の脇の甘い場所を叩いて点を積み上げることを行うので、DXMの仕様をよく体感できた。

今後も良い意味で各勢力パワー調整のベースになるといいと思う。

 

 

ルクソール

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今環境、特にDXM最初期におけるルクソールのスター軍団感は相当なもので、開幕当時オリンポスと二大巨塔を築いた。全体的に高コスト帯にテキストを三度読みしてしまうくらい破格で飛び抜けた性能のカードを多数有している。

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今環境へチューニングした個人の使用デッキ。

 

今環境ルクソールの特徴はAoEの数と高性能カードが豊富であるという2点と考える。

AoEは《大気神 アメン》を筆頭に4/6/8/9コストと中盤以降ひしめいていて、盤面コントロールは非常に手堅い。盤面リセットを利用して自身のユニットの展開操作をし、ハンドアドを作り出したりできる。

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非常に強力なリセットカード《ルクソール AoE各種》

 

高性能カードについては多数あるが、中でも特筆するなら《冥獣 アメミット》になる。このカードは後列展開すると放っておくだけで毎ターン2点ダメージフェイスへ行くというブッとんだ性能で、前列に壁を置いて存命した分モリモリ相手のライフを削ってくれる。盤面の分が悪ければ《セクメトの殺戮》に逃げても高耐久で生き残り、タイプも持っていないため《ホムンクルスのサルファー》でも潰せず、確定除去スペル以外の対抗策が極めて難しい。

ルクソールの高性能カードの多くはカード能力と引き換えに、コストが重く同ターンに多重展開できないことでバランスを取っている。

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最重要ユニット《冥獣 アメミット》

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一枚でライフ差10。《ファラオマスクの呪い》

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ベリザリオなどの対抗策が取れない場合、そのユニットは実質退場同然なので、非常にコスパのよいスペルと言える。《セルケトの息》

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放置した分2/1ミイラ《葬送神 アヌビス》

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マンティコアのほぼ上位版《神獣 スフィンクス》 

 

その他、脇を固めた優秀なカードたちは以下。

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立ち上がり局面の壁+スペルサーチ《メンネフェルの踊り子》

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前列に置けば餌食《蠍人 ギルタブリル》

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変質・除去はお家芸ルクソール スペル》

 

 

ルクソールは【烈火の群狼】登場後、同勢力の追加カードが個性の強いものであったことと、相対的に他勢力が強化、また「召喚時ダメージを与え合う」などのスキルによって時間軸の回転が早まったことによりスロースタートである同勢力にとって向かい風となっていて、最初期と比較して現在の露出は1/5くらいにショボくれている。

ユニットの能力をいじったり、変則的な飛び技が散りばめられてるので中・長期視野でも比較的腐りにくいカードが多い勢力だと見ている。

 

 

アスガルド

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今環境におけるアスガルドは最初期からオリンポス・ルクソールの二大巨塔に差し迫るポテンシャルを感じさせる力があったところ、【烈火の群狼】の追加で爆発。他勢力との力の差を決定付けた。今環境の終わる現在、オリンポスと並び最多勢力となっている。

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個人の使用デッキ。「THE FAT」

 

今環境アスガルドの特徴はオールレンジであったことと、高性能な中・大型ユニットが豊富である、ということの2点。

オールレンジであるということの要因として、回復力と除去力がある。アグロ寄りな相手には主に《療法手 シギュン》や《ドワーフの炊事番》らによって延命し、盤面の分が悪ければ《バルドルの閃光》や《グングニルの穿通》によってクリア。自身が得意とする中・終盤へ安定感を持って進行できた。またスロースタート寄りな相手にも後述する優秀な大型ユニットの存在によって力負けせず、全ての型の相手に同等かそれ以上のパフォーマンスで試合展開ができた。

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元来不利マッチであった対アグロとの戦いにおいて生存率を大幅に上げることに貢献した。《療法手 シギュン》

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最初期からマストセレクト《ドワーフの炊事番》

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小型除去はもちろん、終盤戦ジアーの水晶割りや自軍大型の前へ捨て壁として雑に置かれた小型除去、トールへのムチ打ち等々、終始使える《バルドルの閃光》

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氷ディレイが体制立て直しの起点となるケースもある《グングニルの穿通》

 

高性能な中・大型ユニットについてピックしたい。特筆すると中型からは《百戦神 テュール》、大型からは《雷電トール》をピックしたい。

テュールアスガルドにとって烈火の群狼によりもたらされた最大の恩恵だ。中型展開、除去、バフ、それらをたった一枚、5マナの投資でやってのけてしまう、環境破壊カード。テュールの登場によって様々なカードが生き返り、活躍の機会を得たが既に本人の弱体化が決まっている。

トールについては、スタッツ・スキル共に申し分なく同マナ帯の5/5と有利交換する点、耐えた分だけフェイス2点を積み上げ、入れない理由を見つける方が難しいくらいの最初期から一線で活躍し続ける頼れる兄貴的存在だ。

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マナ、攻撃、耐久、能力、どれをとっても超一級のカード。ゲームに勝ち、多くの引退者を作ったであろう《百戦神 テュール

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展開すれば必ず仕事をするアスガルドの戦友《雷電トール》

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素出しで強いのにサイズアップする!中〜終盤のリソース消費合戦を制する投石《アスガルド 氷河乗り各種》

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盤面コントロールに長けた安定性のある《魔狼 フェンリル

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相手にAoEが無ければそのままゲームを決めるパワーカード《戦略神 オーディン

 

その他、脇を固めた優秀なカードたちは以下。

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スタッツ・スキル両面に優れたユニット。《大地蛇 ヨルムンガンド

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高品質のバッファーが優位な盤面を作る《霊鹿エイクスュルニル》

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使いやすい軽量除去。《スカジの氷矢》

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最初期における対アグロの功労者《傭兵 ハスカール》

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全カード通して最軽量の確定除去《ヘルの招来》

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奇襲性に富んだバフ。ジアー同士など膠着した盤面に打つと抜群に強くそれだけでゲームを決める破壊力を持つ《ミョルニルの掲揚》

 

烈火の群狼によってテュールシギュンを迎えたアスガルドは、今環境において確実に最強勢力であったと考える。デヴェロッパーはテュールに対してどのような試行を施し世に出したのか分からないが、これぞ正に田中Pの公言する「これって無理ゲーだよね」という状況が作り出されていた様に思う。100戦100勝とならないのはそのプレイヤーの構築/プレイング/ドロー運が作用するからであって、単純なカードパワー比較で他勢力にとってテュールは間違いなく無理ゲーであったと個人では考えていて、運営の仕方にものすごく疑念を持った一件だった。

幸いにもテュールは弱体化が本日実施され、新弾をクリーンな状態で迎えることができる。予てからデッキへ同じレジェンドを複数枚投入できることに個人は批判的なため、このままレジェンドゲーに突き進まないことを願うのみ。

ちなみに、個人は最初期からアスガルドが一番好きな勢力であり、それは今も変わっていない。

 

 

◆イズモ

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今環境のイズモは相対的な印象として存在感が薄かったとどうしても言わざるを得ない。ゲームの回転数はオリンポスを上回る超アグレッシヴな高速展開が可能でハマった時の爽快感は光るものがあるものの、盤面コントロールの面においてその弱さを最後まで払拭できなかったように思う。

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個人の使用デッキ。守りを捨てた片道切符の捨て身型

 

 

イズモの振り返りについては特徴(強み)に加えて、少し趣向を変え残した課題についても掘り下げたい。

今環境イズモの特徴に、優秀な軽量スペルの存在がある。特に1/2コストのバウンススペルは全カードを通して見ても屈指の性能を持っており、相手の大型をバウンスして数で圧倒するムーブが強かった。

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乱波や他の小型と交換。優秀なバウンス《天狗隠し》

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超高性能と言い切れる指定バウンス《鬼切の誘引》

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使い勝手のいい《風魔手裏剣の投擲》

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優秀《イズモ 軽コストスペル》

 

では、残した課題についてはどうだろう。イズモがゲームを決めきれない、露出の少なさにもそれが現れていた最大の要因は、詰まるところ中・大型ユニットの不在と考えている。各勢力がそれぞれに個性を持ち、イズモの設計は小型ユニットもスペル同様に優秀なものが数多く存在する。

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精鋭揃い《イズモ 小型ユニット》

 

それらを同ターンに序盤から多重・高速展開できている時はいいが、小型なため当然耐久性はなく、ひとたびオリンポスの速攻やハデスのガーディアンパワー、ルクソールアスガルドが所有するAoE、トリニティの鉄壁、護衛らで倒されるとハンド枯渇、ジリ貧を起こす。《怪異 コダマ》を使ったスペルイズモが一定の人権を得たのはハンド枯渇を解消したからだろう。中・大型ユニットの不在がハンド枯渇を引き起こして負けると個人は考えている。

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イズモの到達した1つの回答、スペルイズモのキーカード《怪異 コダマ》

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どれも強いが、盤面維持は難しい《イズモ 中・大型ユニット》

 

個人的に今回のテュールに近いような勢力の顔となるスターが中・大型に一枚出るとかなり違う気がしている。他勢力と個性の差別化を明確にするのであれば、ハンド枯渇の解消や更なる高速回転を拡充してあげなければ厳しいと感じる。

今環境はイズモにとって決して良い戦場だったと思っていないが、ツクヨミのガーディアンパワーの独特さなど良いものをたくさん持っている勢力なので新環境に期待したい。

 

 

◆トリニティ

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今環境におけるトリニティは苦手な相手も得意な相手も無く、虎視眈々と王座を狙い続けたダークホース的存在だったように思う。結局最後までその地位に座すことは無かったものの、一貫して高いポテンシャルと一定数の人気を獲得し続けた勢力である。

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個人の使用デッキ。

 

今環境トリニティの特徴はランプと全マナ帯通して平均点以上のユニットが揃っていたことが上げられる。

ランプの象徴となったのが《聖堂領の修道女》と《聖樹の杯》だ。修道女は終盤完全に腐る弱さを持つものの、立ち上がり局面に展開すると常に相手より優位で堅牢な盤面を作り続け、全ゲームを通して相対的に大きく貢献した。杯は奇襲性に富み、前倒しで駆り出される《彷徨えるゴーレム》や《ロードスの聖騎士》など、立ち上がり局面の中型光速展開や、中盤の圧されているどうしようもないような場面を救った。

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ハデスのガーディアンパワーに倒されることも多かったが総じて使用して損が絶対に無かった《聖堂領の修道女》

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あらゆる場面で使い所の多かった《聖樹の杯》

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相手も恩恵がある点で一見嫌厭しがちだが構築を重めにすれば相対的アドに繋がった《聖鳥カラドリウス

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《トリニティ その他ランプ》

 

ランプしたそのアドバンテージの受け皿がトリニティには揃っており、片手落ちとならず甘受できた点も欠かせない。トリニティには全マナ帯通して平均点以上のユニットが揃っている。《ロードスの聖騎士》は決して得意な相手とはいえない展開の早いオリンポスに対し、その流れを断ち切るのに貢献したし、《人面獅子 マンティコア》はランダム性があるものの大型ユニット展開+除去としてシーンを選ばずに使用できる汎用性の高さを持っている。

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スタッツはやや物足りなさがあるものの護衛が光りオリンポスには一定以上の仕事をした《ロードスの聖騎士》

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高い採用率を誇る汎用性の高い大型《人面獅子 マンティコア

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1マナ重いゴーレム。少し語弊もあるかも知れないがゴーレムを4回使えると思ったら優秀だろう。《聖堂領の重騎兵》

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サナムはほぼ全デッキに入っているような状態の中、使い所は無くならなかった《火竜 ウェルシュドラゴン》

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トリニティの顔でありリーサルウェポン。《堕天使 ルシファー》

 

その他、脇を固めた優秀なカードたちは以下。

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立ち上がり局面の頼れる存在《聖堂領の格闘教官》

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派手さはないが確実性のある《マスティマの誘引》

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ATKが高めのトリニティにハマるコスパの良い除去《ベリアルの炎》

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ルシファーサーチ《聖告の大天使 ガブリエル》

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サナムへの回答《ヴェネツィアの戦車》

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分かり易い良性能《聖護の大天使 ミカエル》

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リーサルや緊急脱出に《メタトロンの決闘場》

 

トリニティは小粒揃いで天下を取るポテンシャルは十分に満たしていたような印象を持っていて、実際最強アスガルドを使用の際に一番負けが多く苦手意識を持っていたのがトリニティだった。

《火竜 ウェルシュドラゴン》を筆頭とする「前列を咎めるカード」が折角あるのに自身もサナムを使用することで《ヴェネツィアの戦車》が使いこなし切れなかったり、それらの露出があまり無かったことは勿体無かったように感じている。

まだまだ伸び代を残している可能性のある勢力だと感じているため、新環境ではどのような力を発揮するのか期待したい。

 

 

◆最後に

デュエルエクスマキナが世に出てから3ヶ月。テュール登場から個人の稼働は減ったものの、個人としては前段で述べたようにこれまでがチュートリアルでこれからが本番、と期待を寄せている。

新環境に寄せる期待はいろいろあるが、今回は一切事前情報に目を通さないでいる。

個人的には現在完全に産廃化してる地形生成ガーディアンは上方修正を受けないまま、カード追加だけで使用されるようになるのかが大きな関心事。少なくとも今環境に出番はまるで無かった。

遠くない未来、昔のテュールは悪さしてのぉ〜ふぉふぉ、とか新規に古参ぶりたいので、新環境、成功しますように!←

 

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長くなってしまったが、最後にデュエルエクスマキナ黎明期を戦い抜いた全ての勢力・カード達へ親愛を込めてこの場を締めたい。Thank You!!

 

4/21(金)新情報まとめ

Mirrativにて本日20:00〜21:30配信済

以下に情報まとめます。

・配信を観れる環境にない方

・長い配信の要点だけ掴みたい方

向け。

 

質問回答(ゲームに直接関係のあるもののみピック)
・5月よりランクマッチAランク以上の連勝ボーナス廃止(イベントマッチは最強決定戦を除いて、連勝ボーナス継続。)
・5月より月毎の月間ミッション導入
勢力の追加は予定していない
・アリーナ導入予定(夏頃)
・既存カードの修正は現状予定していない
iphone端末単体でのMirrativ対応予定
・コラボ準備中

 

4/30(日)解禁小型拡張「烈火の軍狼」カード情報

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今回の追加は全25枚。

内訳:各勢力Rare1/Epic1/Legend1計15枚+ニュートラル10

既存のスタンダードに追加の位置付けで、スタンダード召喚から排出される。

100枚規模の大型拡張は別途、3ヶ月に一度を予定しているとのこと(夏頃)

現在情報が出ているのは5枚。明日・明後日に追加で8枚情報が出る予定。収集次第掲載。

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コントロールアスガルド-ディフェンシブ

DXMプレイヤーYOSHIと申します。

小学生の頃MTGに出会い、初めて剥いたパックから出たレアは第5版《冬の宝珠》でした。

オッさんプレイヤーです。

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時価2000位の超レアとも知らず友達にあり合わせのコモン・アンコモンで作成されたゴブリンデッキと鮫トレされたのは悲しい思い出セットです。

 

《冬の宝珠》の効果は、除外されない限り永続的に効果は持続し、DXMで言う所の毎ターン両プレイヤーは1マナしか使用できない、というもの。(細かい説明は省きますが)こちらは1マナ帯の小型ユニットをデッキに多数盛り込むことで一方的に場を制圧したり、別カードとのコンボにより、こちらのみ1マナ使用制限を解放することでマイワールドを展開、押し付けることが可能でした。

《冬の宝珠》然り、TCGとは一見何これ?弱くね?と思わせるようなカードも別カードとのシナジーや環境次第でその表情をガラリと変えるのが1つの大きな魅力です。

 

今日もアスガルドデッキを1つ紹介させていただきます。

5分程の読み物ですので、どうぞお付き合いください。

 

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◼︎デッキの特徴

安定した盤面形成をし、どの勢力に対しても5分以上の戦いができる。《ホムンクルスのサルファー》、《ウルモルの棟梁》フル投入。

前回のデッキをベースに考えると、今回のはよりディフェンシブでコントロール寄りです。

 

◼︎登用カード個別解説

※私の認識に基づいて評価を★でつけていますが、これはデッキ内個人の評価であり、全カードを対象とした相対的な評価ではありません。

★4:キーカード。

★3:強いと認識している最低1枚は登用したいカード

★2:入替するか判断に迷う微妙なカード

★1:入替する際優先的に対象とするカード

 

〜ガーディアン〜

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盤面を固める観点ではフレイヤが最上。

 

〜ユニット編〜

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評価:★★★★

説明不要のパワーカード。個人的には現状全デッキに入る。そのくらい突き抜けている。

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評価:★☆☆☆

前回のコメント同様、消去法で登用。

正直抜きたい。けど代わりが居ない。

アナンシは放置されるんだよなあ。

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評価:★☆☆☆

このデッキに「氷河」は不要。

地形や、オリンポス《サテュロスの短弓兵》のように、1つのカードを言葉通り、キーカードとして組むデッキはサーチもない現状、ハマった時の強さは凄まじいが、安定して勝てない。だから組まない。

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評価:★★★★

高スタッツ。現状文句の付け所がない。

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評価:★★☆☆

対アグロ意識として登用。投資コスト分の仕事はしている印象。

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評価:★★★☆

盤面にユニットを多く展開するこのデッキには相性が悪く、使わないで済むなら使いたくない。が、4マナ帯で対抗手段がない、ほとんどのデッキに登用されているため、こちらも(仕方なく)使用している。

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評価:★★★★

カタツムリ同様、高スタッツで入れない理由がないカード。4/2の方は相手ターンでほぼケアされる。今後のカード拡張次第で見るのは今だけな気がするカード。とりあえず今は間違いなく強い。

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評価:★★★★

受けも攻めもできる無限に蘇るウルモルが優秀。自分で使用した体感以上に、相手に使われるとウザったい。

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評価:★★★★

フィニッシャー。使い勝手良い。

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評価:★★★☆

ルクソール、対トリニティ戦での予断許さぬゲームをこちらの勝利へグンと引き寄せるユニット。相手が「神」、「天使」を使用せずとも素出しで7/5/5と腐らない。何故か世間的な評価であまり名を聞かない。

天使と神なので今後カード拡張しても腐りにくいユニットと思われる。

 

◎参考:サルファーが確殺するユニット一覧

登用率【高】アンビトリテアテナアヌビスアメンスカジトールオーディンツクヨミスサノオガブリエルミカエルルシファー

登用率【中】ポセイドンゼウスメジェドイシスフレイヤアマノマヒトツウリエルラファエル

登用率【低】テュポーンオシリスロキヘイムダルコノハナサクヤアメノウズメアマテラスメタトロンプット

 

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 評価:★★★☆

自己ヒールがあるため確定除去されない限りはかなりタフ。盤面に居座り続けた分ジリジリとこちらの有利な盤面になっていく。

 

〜スペル編〜

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評価:★★★★

1:複数交換を軽コストで容易にやってのけるスペル。特にアグロには刺さる。アスガルドを代表するスペル筆頭

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評価:★★★☆

アスガルドAoEは軽ダメージ且つ、ユニットも相手ユニットへ効果をもたらすカードが少なく、必然的にファッティなユニットの駆除に苦労をする。少し癖もあるが、強スペルの分類で違いない。

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評価:★★★☆

主にゴーレム駆除用。ほとんどのユニットは4点で狩れる為、デメリットのある《ヘルの招来》との構成比は人によって好みが出ると思う。

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評価:★★★☆

抜きたいけど抜けないカード。

バルドルの閃光》と比較すると見劣りするがAoEが欲しいシーンは結構あるので、1は欲しい。

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評価:★★★☆

コスト分の仕事はしっかりする。

 

◼︎入替/登用を検討しているカード

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アスガルドの看板と言っても差し支えないようなスペックのカード。サルファー登用の手前外しているが、共生の道模索中。

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「氷河」に乗れずとも4/3/4と並以上のスタッツは出ているので優秀。

 

 

 

以上で解説を終わります。

 

ご覧いただき、ありがとうございます。

今後も更新予定ですので、また、お会いしましょう!バイ!

 

コントロールアスガルド-オフェンシブ

デュエルエクスマキナのプレイヤー、YOSHIと申します。

今回はSランク帯で使用するデッキをひとつ紹介させていただきます。割と良い戦績を残せるデッキなので少しでもデッキ作成の助力になればと思います。

5分程度の読み物なので、お付き合いください。

 

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◼︎デッキの特徴
・軽コスト帯はスタッツの高いファッティなカードをセレクト

・デッキ内総ライフ回復数18

・「氷河」に関係するカードは登用していない

 

◼︎登用カード個別解説

※私の認識に基づいて評価を★でつけていますが、これはデッキ内個人の評価であり、全カードを対象とした相対的な評価ではありません。

注釈として、このデッキ内で★1を付けたものが使い方やデッキコンセプト次第で超強力なカードになり得ます。

★4:キーカード。

★3:強いと認識する最低1枚は登用したいカード

★2:入替するか判断に迷う微妙なカード

★1:入替する際優先的に対象とするカード

 

〜ユニット編〜

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評価:★★★★

説明が不要の誰もが認める超強力ユニット。“酸溜まり”は悪用できるためほぼデメリットにならない。採用しない理由がない。

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評価:★☆☆☆

アスガルドの2マナ帯は層が薄すぎる。2/1や1/2はサイズが細くて登用判断として厳しいと思っているため、消去法で登用。(こいつはリターンで2/2となる)

対イシス戦では「ふふっ、ごめんね〜」もスキルのおかげで割と許容できる。

召喚から即時戦闘で2/2と相殺できないのがダメ。 

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評価:★☆☆☆

 汎用性抜群の地形生成ユニット。しかしながらこのデッキでは、基本的に「氷河」を利用しない構築(別枠に後述)を取っているため、地形は大きなベネフィットを生まない。強いて挙げれば、ヒーローパワーの1/1が1/2となる。

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評価:★★★☆

多くのAoE(Area of Effect=全体攻撃)に耐えるタフネス3が非常に有用。対オリンポス戦【テーバイの重装投槍兵】の対抗手段。1マナアド。

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評価:★★☆☆

炊事番の劣化版。対アグロ戦で延命すべく登用。

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評価:★★★☆

配置に気を配ればデメリットをほぼ受けることなく4/4/4の高スタッツが獲得できるため相当強い。盤面に小型を敷き詰める傾向のデッキなため相性はやや悪い。

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評価:★★★☆

デーモンスネイルと並んでこちらも人気のパワーカード。前面配置しないとベネフィットを得られない点が気になっている。

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 評価:★★★☆

外科医との6-7マナ連続コンボ用。かなり刺さる。

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評価:★★★★

 ファッティなスタッツに強力スキル。
沼(酸溜まり)へ浸ければスペル除去されない限り最低でもヒーローへ4ダメージとファッティ駆除をしてくれるので、7マナでいい仕事をする。

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 評価:★★★★

フィニッシャー。ターニアやヒーローパワーから生成したノーマークな小型が良く刺さる。あれ?フィニッシャーがターニア✖️ベリザリオってどっちもニュートラ…黙れ。^_^アスガルド関係な黙れ。^_^

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評価:★★★☆

主に対ルクソール戦のアヌビス、アメンメタカード。ルクソールのタフネス6を破るのは至難、コントロールされた盤面に風穴を空ける。

トールとの共存はできないので注意。相手ライフが2なら迷わずトールごと引き倒せ。

 

◎このような盤面が起きやすい、また積極的に意識して狙う。

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〜スペル編〜

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評価:★★★☆

2コスト/5ライフ回復は、フレイヤのヒーローパワーと比較した時6〜10コスト分に該当し、コストパフォーマンス良好。
対アグロ戦のダメージレースや対ルクソール戦の圧倒的ライフ差を縮めるちょっとしたフレグランスのようなカード。

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評価:★★★★

アスガルドが他勢力に胸を張って強カードだと豪語できる一枚。見たまんま強い。

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評価:★★★★

相手に代わりのユニットを与えてしまうものの、4マナで無条件に除去できるのは強い。

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評価:★★★☆

バルドルの閃光と比較してどうしても見劣りする。が、環境的にアグロやジアーの炊いた後列水晶が猛威を奮いまくってる状況なのでフル投入。

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評価:★★★☆

ベリザリオのスペル版。 AoEが優れ、ヒーローパワーもあるため盤面に数的優位を作成しやすいため有用。

 

 

 ◼︎登用しなかったカード

主に「氷河」に関連するカード類。

多くのデッキに登用されているであろうウルフヘジン/ドワーフの戦士を登用しないのは、最大のベネフィットを受けるためのトリガーとなる「氷河」作成カードが弱すぎるため。

ほか、有用とされるカードを現状登用していない理由について。

 

 

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1/1、1/3のスタッツが細すぎる。壁にすらさせてもらえず、レーンに放置されて出したいユニットも出せず邪魔となるケース多々。

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3〜4マナ帯のイニシアチブを取るか、取られるかという重要な局面で「氷河」作成に2マナ支払う余裕はない。テンポが悪すぎる。

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3/3/4、4/4/5のスタッツは魅力だが、このマナ帯域で前提条件の「氷河」作成は現状茨の道と判断

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何度も使った上で現状外しているカード。5マナの割にスタッツが小さい。生成した狼も「爆ぜろ」や【レシェフの疫病】ですぐ溶ける。サナムのような派手さがない。サルファーを登用したことも抜いた要因。

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こちらも何度も使用の末、現状外しているカード。オーディン自身は優秀だが、ルシファーやアメン等のAoEで溶けること、またそのリターンが大きいこと。既にデッキ内でコストの重いカードを使っているため、ターニアとチェンジ。

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持ってない。でもおそらくデッキコンセプトと合わない。

 

 

 

以上で解説を終わります。

 「氷河」を敢えて使用しない構築というのは、ひとつの解と考えます。

 

ご覧いただき、ありがとうございます。

今後も更新予定ですので、また、お会いしましょう!バイ!